あすなろ闘病ブログ

大腸がんの闘病生活を書き綴るブログ

53.肺転移の入院⑤【術後】

 

 

時間が止まっているのだろうか

そう思えるほど術後の長い夜がやっと明けた。

 

おはようございまーす!!

ってパンッパンッに張りのある看護師さんの声を聞くと元気が出る。

 

午前、車いすでレントゲン室に向かい術後初、自力で立ち上がる

けどまだ吐き気が強い。

早く麻酔抜けてくれー

 

ラクラするし肩と背中が痛い。

 

今、両脇のあばら骨辺りからドレーンが入っている状態。

このドレーンのせいで朝起きてからずっと強い肩こりの様な痛みがある。

 

寝てても、ベッドの角度を変えても

背中を丸めても、反らしても

右向いても左向いても痛い。

どうやっても楽な体勢が無くて逃げ道がなく、辛い。

 

痛み止めも効かず半泣き状態のところ、術後の経過が良いというのでドレーンを抜いて貰った。

ドレーン抜きは一瞬で終わり、痛くなかった。

同時に背中の痛みも消えた。

 

あぁすっきり

気分が晴れて食欲も湧いてきた。

後は退院に向けて体力をつけるだけ。

歩行許可も出たので距離を少しずつ伸ばす。

 

ベッドから洗面所に行って歯を磨き戻って休む

また洗面所に行って顔を拭いて戻って休む

 

うんうん、もう大丈夫そう

 

調子乗って一気に距離を伸ばした

50mは歩いただろうか

急にサーッて血の気が引くような感覚が。

 

やばい

これは急いで部屋に戻って横にならないとやばいヤツ。

急げ急げ吐きそうヤバいヤバヤバヤバい

 

何とか部屋に着いた!けど吐くやつのアレ!桶みたいのが無い!

さっきまであったけどもう大丈夫、と回収してもらったんだった。

 

ナースコールを押す

あの・・・吐きそうで・・・桶みたいの・・下さぃ・・・

 

これ聞こえるんか?ってくらいの蚊の鳴くような声で伝えた。

冷や汗びっしょり

看護師さんが桶みたいのを持ってきてくれた。

助かったー間に合ったー

マイクの性能凄すぎ。

 


呼吸を整えしばらく休み、回復したからまた歩く。

この日にドレーンや点滴の管が全部抜けた。

手術から2日目、シャワーOKに

手術から4日目、退院

 

入院から退院まで7日間

早い、早すぎる流れだ

 

退院が決まり、昼食を食べながら喜んでいると先生が見えた。

きっと偉い先生なんだろう。

初めてお会いする先生で、若い先生方を連れてすごく賑賑しい

おっ!美味しそうなの食べてるね!

順調順調!もう何でも食べていいからね!

えっ何でもですか

いいよいいよー!何でもいいよー!

ビールだっていいよー!

えっえっビールですか

退院したらね!いるよー!飲む人いるんだよー!

あははは!

って笑いながら病室を去ってった。私まだびっくりしてんのに。

 

 

シーン

 

静かになった

 

腫瘍マーキング、我慢、気胸、痛み、吐き気等々

大波小波を乗り越えた今、入院初日の「凪」に戻る。

 

 

今回の入院は期間が短いけど、色々な大変がギュッと凝縮されて濃厚だった。