目を開けると、神妙な面持ちをした家族が立っていた。
?と思っていると、
「手術、無事終わったよ。」
と、夫が教えてくれたこの第一報
そうだ。終わったんだ、と状況を把握した。
あまりにも深刻な顔だったから手術がうまくいかなかったのかと思った。
でもこれで安心してまた眠れる。
麻酔から目が覚めても、まどろみ眠気が続いた。
目を開けてもすぐ瞼が下がる
体は怠くて動かす気力がない
でも眠れなくて、目を閉じたまま過ごす。
側から見ると寝ている様に見えるけど、意識はある。
体はスリープ状態、だけど聴力だけは通常
色々聞こえる
家族の会話、隣のお婆さんの念仏、病室の出入り、機械の電子音・・・
親
「痛みもなさそうだし、そろそろ帰るね。」
頷く(長時間付き添ってくれてありがとう)
婆さん
「ナンマンダブ!ナンマンダブ!」
(腹から声出てる。めちゃ元気そうだ)
看護師さん達
急患!バタバタ!
(夜なのに忙しそう。大変な仕事だな)
機械
ピコーン!ピコーン!
(誰かのピコピコ激しくなったけど大丈夫かな)
医療機器の音に囲まれて体を動かすことも出来ない
そんな不安な中、聞き慣れた家族の声はとても耳心地が良くて安心感があった。
その後、様々な音を聞いて感慨深い夜を過ごした。
寝ているだろう、意識が無いだろう、と思われている患者でも、もしかしたら周りの音が聞こえている時があるのかな。
聞こえてないと思われていても、その話、その声、届いているかも。