あすなろ闘病ブログ

大腸がんの闘病生活を書き綴るブログ

49.悪魔 vs 私

 

 

肺腫瘍マーキングの前にトイレを済ませてCT検査室に向かった。

移動は常に車椅子だ。

 

検査室に入った瞬間

この部屋ちょっと寒いな、なんて思いながら寝台に横になる。

 

思いのほか時間が掛かる

 

嫌な胸騒ぎ

と同時に私の膀胱がざわつき始める。

 


最近体力が落ちて体が冷えやすいし

歳のせいか最近頻尿になったよなぁ

 


そんなこと考えていたら明かな尿意に気付いてしまった。

 

どどどどどうしよう

まだまだ時間かかりそう

 

 

一度意識すると頭の中がトイレでいっぱい

苦しい、切ない、泣きそう、トイレが恋しい

 

字面で表すとまるで恋煩い

だけどまじで真面目にトイレに行きたい。

 


今、膀胱タンク貯水率80%

なかなかきてる。

そうだ、他のこと考えよう。

楽しい事楽しい事♪

 

退院したら美味しいの食べたいなぁ

駅前のあのオシャレなお店に行こう

内装も素敵なんだよね

トイレに置いてあるノートを見るのが楽しい・・・トイレは考えちゃダメだ

 

違うこと考えよう

 

退院して落ち着いたら旅行したいな

北海道とかいいな

でも寒くて冷えるからトイレが近くなって・・・トイレ!!

 

早くマーキング終われって考えるけど

腫瘍マーキングが犬のマーキング姿を連想するほどに

もう何を考えてもバナナシュートの如くトイレにゴールを決めてしまう。

 

 

やっと左肺のマーキングを終えた

タイミングを見計い先生に訴えてみる。

軽く、ごく自然に、

 

あ。すみません、トイレに行きた「ダメです」

 

・・・

 

 

世の中こんなにも美しく迷いのないダメですってあるんだ

混じりっ気なし、純度100のダメですを頂いた。

 

もっと切羽詰まった感を出せばよかったのか

猛反省。

 


これでトイレへの道が断たれた。

どうする

どうするって、もう二択だよね

 

出すか、出さないか

 


汗ばみ苦しむ私に天使と悪魔が現れた

 

天使「もうちょっとだよ!頑張ろ!」

悪魔「もう限界だろ。諦めろ」

天使「ダメ!今後のメンタルに響くから!」

悪魔「病院だぜ?タオルとか尿瓶とかで対処してくれんだろ」

天使「もう少し!もうちょっとの辛抱だから!」

悪魔「おいおい患者だぜ?大目に見てくれんだろ」

天使「待って!漏らしたら今後の入院生活が終わる!」

 

さすが悪魔、ささやきがハンパない・・・

悪魔の誘惑・・・どうする

出すか、出さないか

 

膀胱タンク貯水率99%

 

 


そして終わった

 

終わった

 

 

 

マーキングが終わった

私は悪魔に勝ったのだ

 


膀胱貯水率残り1%いや1%切ったと思う

 

尿道括約筋が大活躍した

それだけじゃない

全身のありとあらゆる括約筋が協力した結果、無事トイレで用を足す事ができた。

 

筋肉は裏切らなかった。

 


急いでマーキングをしてもらった先生方にも大感謝

急いで車椅子でトイレに運んでもらった看護師さんにも大感謝

 

 

悪魔と戦わないために、検査等の前にはトイレに行っといた方が良いです。

ほんと誘惑凄いから。